(本作品は、「人工美女の館」(byひとみ絵里さん)のファンフィクションです)


(25)
「え、ええ...」
未経験のアヌス性交を唐突に告げられて口ごもる俊恵。
「どうした?夫にベッドで愛してもらうのが不満か?」
「い、いえ...」
「よし、では行くぞ」
「や、やさしくしてね、あなた...」
お尻の穴って痛いって聞くけど、大丈夫なのかしら...不安を隠せない俊恵。

隆造はローションを取り出し、俊恵のアヌス周辺に塗り始めた。
「あぁん」ひんやりしたローションと隆造の指先の動きのくすぐったさに感じ、思わず声が出てしまった。
「おいおい、まだ前戯にもなってないのに感じるのか?まあそのように改造したから当然だがなあ、ふふ」
「改造?」
「お前のヴァギナは前立腺と連動してアヌスを犯されるような快感を得るように造られたわけだが、そもそも前立腺付近を感じやすいようにいじったから、アヌスはヴァギナと同等に快感を感じるのだよ。さて、まずは揉みほぐすか」
隆造は指で巧みにアヌス周囲のマッサージを始めた。
「あ、あぁん、ぅぅぅ」処女喪失以降、とみに感じやすい体になってしまった俊恵は、新たな快感に思わず声を上げてしまう。





「なんだ、揉むだけでイッてしまいそうな勢いだな、では早々と入れさせてもらうか」
隆造は俊恵の背後に回り、アヌスが緊張しないようなポジションを取らせる。
「よし、行くぞ俊恵。力を抜いてリラックスしなさい」
「は、はい...」
そして、俊恵のアヌスは隆造のペニスを迎え入れた。
それは杉浦俊夫が仇敵の隆造に屈辱のオカマを掘られることに他ならないことでもあったのだが、今の俊恵にとっては夫とのセックスのひとつのヴァリエーションに過ぎない。
「あぁぁー!あなた、痛い!痛いわ!」
「リラックスしなさい俊恵。切れてしまうぞ」臀部や腰をやさしくさすり、俊恵の緊張感をほぐす隆造。
やがて、隆造のリードのおかげもあり、少々痛みは感じるものの、挿入された肉棒は俊恵の前立腺を刺激し快感を与えはじめた。

「あぁぁん、ぁん、気持ちいい!」
「どうだ、アヌスでセックスする気分は?女なのにオカマを掘られる気分は?」
「は、恥ずかしいわ。あぁん!」
「そうかそうか、ではもっと恥ずかしくさせるぞ!この『オカマ』め、それそれ!」
「あ、あ、あぁん、いい!いくぅ!!」
こうして俊恵はアヌス性感を開発されてしまった。杉浦俊夫時代であったら死にたいほどの屈辱だったはずなのに...。

この夜以降、俊恵はさらにセックスへの渇望が高まった。下品にならない程度に以前より化粧や服装をセクシーにして、隆造の「やる気」を誘う努力を始めたのだ。しかし、やはり隆造は甘くない。性感で「オンナ」に溺れようとする俊恵にきつい一撃を食らわす。
「俊恵、お前を抱くと、どうも時おり違和感が有る。顔立ちはやはり男だなあ。喉仏もまだあって男声だし、手はごつめだし足も大きい。わしに『かしづく』理想の妻は、受け身の性感だけでなく、美しい外見がないとなあ、ふふ」
「...」返事に窮する俊恵。しかし隆造はそれ以上追及しない。
俊恵自ら美容整形を切り出すよう、微妙に駆け引きを仕掛けているのだった。

顔の整形に関しては予告されていたことであったので頭の隅にはあったが、それは隆造からの宣告・命令として下されるものだとばかり思っていた俊恵。しかし、隆造は遠回しに自分を挑発し、自ら言えと仕向けてくる。見え見えの意図であるが、黙っていてもいずれは顔を変えられてしまう。ならば...。

この男顔、確かに恥ずかしい...。喉仏はあるし、声は男のままだし。もっとキレイになれば、こんな隆造でももう少し優しくなるのかしら?瞳の扱いを良くしてくれるのではないかしら?それに、もう男は捨ててしまったのだし、男の顔を捨てるのも同じ事だわ...杉浦俊夫の名残りを持っていて何になるのだろう...。隆造の言いなりのか弱い人妻、「大神俊恵」にふさわしい、新しい顔を授かり、隆造のお人形になってしまうのが、今の私にとって最大の幸福かも知れない...。

俊恵の胸中は揺れていた。自分から整形を願い出ることは、隆造への自分の隷属がさらに一段階堕ちることに他ならない。しかし、杉浦俊夫の名残りを持ち続ける限り、そこから生じる苦痛・ストレスは、俊恵の精神の安定を強く乱し続ける。ここに来て容貌に関する隆造のいたぶりを精神に突き刺さるかのように感じるようになっていた俊恵。もう限界なのかも...。

「あなた...」
「何だ?」
「婚約の時のお約束にしたがって、私なりにオンナを磨いてきたと思ってます。厚かましいかもしれないけど、そろそろ美容整形を考えて下さる?厳しいあなただから簡単にうんと言うとは思っていないけど、私はもういつでもこの身をメスに任せますわ。私をもっともっと女らしく、美しくしてください!」

「ふ、勝ったな...」隆造は心の中でほくそ笑んだ。言わせたくていろいろと粉かけをしてきた甲斐があったと言うものだ。
「そうだな、そろそろ時期かもしれないな、俊恵。婚約の時から比べて見違えるほど女らしくなったものなあ」
「考えて下さるの?」
「まだだ。わしが厳しいのはわかってるだろ?だが今日お前が進んで言い出したということは覚えておく」
「わかったわ。でもそのうちにね、お願い!」俊恵は隆造に進んでキスをした。

はた目に見れば、亭主に甘えおねだりをする妻の姿。しかしその真実は...。

【続く】